That Means A Lot

ゆとり世代にゆとりなどない

好きに生き 踊りゃあいい 〜恋はアッチャアッチャで踊れ〜

「ええじゃないか」「ええじゃないか」「ええじゃないか」ただでさえ浮き足立っている夕闇の空気の中へ、「ええじゃないか」と言う声はいともやすやすと染み込んで行った。

-森見登美彦太陽の塔」より

 

元号「令和」の発表から4時間あまり、アンジュルムの新曲「恋はアッチャアッチャ」のMVが満を持して公開されたが否や、人々を混迷混沌の中へ放り込んでいる。人々の感想は作詞者である児玉雨子さんのツイートを拝借するのがいちばん良かろう。

 

 

和田彩花さんの最後のシングルということで、どんな曲なのか、体から張れる限りのアンテナを伸ばしラジオの音源公開へ臨んだのだがぶったまげた。うん。インドだね。両A面の「夢見た15年」がど真ん中ストレートのお涙頂戴曲に対し、このタイミングでインド?ジョージ・ハリスンのお蔵入り曲?そりゃ彼女たちのグループラインが荒れるのも無理もない。クセが強いというか、クセそのものである。輪廻転生で、あやちょが仏像好きだからか…?

アンジュルム『恋はアッチャアッチャ』(ANGERME [Love is Accha Accha])(Promotion Edit) - YouTubeyoutu.be


児玉雨子さんの詩に意味のない言葉などない」とは誰が言ったか。歌詞を見ると、「フツー」な女子が恋をしつつも想いを伝えられない様が浮かぶ。「終電」や「直帰」という言葉があるから、OLなのかもしれない。いやもしかしたらサラリーマンかもしれぬ。しかしその背中をベタに押すまでもなく、本人が踊りたいと言い出すのだから斜め上である。

冒頭に引用した『太陽の塔』の自主休学中の京大生の主人公よろしく、この曲は「タイミング」「株価上昇」など、世の中に文句不平不満を物申しつつ「私はこんなもんじゃない!」と漏らす…前にもどっかであったなと思えば前作の「46億年LOVE」である。しかし今回はまだ踊れていない。踊りたいのである。

大サビ手前、「贅沢言わない 日々から逃げない だけどつまらない人間じゃない 踊りたいの!」の最後の「踊りたいの!」が笠原さんのパートであることがポイントであろう。これまで散々先陣を切って闘ってきたあやちょでもタケでも莉佳子でもムロ・ミズキでもなく、今後のハロプロを背負うと呼び声高い彼女が担うことは、アンジュルムに対して深い意味が込められているはず。つまりまだ彼女は踊っていないのである。これから踊るのである。
この「アッチャアッチャ」、ヒンディー語で「Good」を表す。インドでは相槌にも使うとのことなので、「いいね」が良いらしく、つまり「恋はいいね!いいね!」。DA PUMPみたいである。もう一個で出てくる謎の単語「アカシャ」は、サンスクリット語で、インドで「虚空」「空間」「天空」を意味しインドの五大のひとつであるとのこと。よくわからないが壮大である。

さてMV。なぜ曲がインドなのか、いいねなのか、虚空なのかという困惑に、さらに振りかかる疑問の嵐。なぜ京急蒲田なのか。なぜ中西さんは清掃員なのか、なぜむろが売店のおばちゃんなのか。かみこがシンクロナイズドスイミング?そもそもロケしてる?衣装もたくさん?ひょっとしてお金かけてる…?ひょっとしてアンジュルムに改名してから撮ってきた全てのシングルの予算と時間と同じくらいなのでは…?「混沌可愛い」のキャパオーバー。情報量が多すぎて消化できず、途中からはそんなことを考えていた。

そして気になるのは、どの場面でも、どんなにシュールな場面でも、あの首を傾け手を同時に動かすあの変な踊りのシーンが欠かさず入っている。エキストラまで踊っているあたり、「恋するフォーチュンクッキー」を彷彿とさせるが、ボリウッドと言われるインド映画のオマージュだろう。なぜシンクロ?ラグビー?テニス?柔道?太極拳*1ミュージカル映画で人々が踊ることの意味を考えてはいけないように、もう考えるのは止めるべきだ。とにかく踊りゃあいいのである。

それでも、謎の中に卒業に便乗するようなMVだからずるい。ラストシーンであやちょの花嫁姿。ふりむかないで お願いだから。

f:id:zeroplusalfa:20190403234643p:image

さらに大サビでメンバーが輪を描きながら歩きながら踊るこの構図。リリイベで生で見たときに盆踊りや踊念仏のようだなと思ったが、大昔に人々がなぜ踊ったのか、その真理に触れようとしているのでなかろうか。*2ちなみに「アッチャアッチャ」は意訳に意訳を重ねると「ええじゃないか」とも訳すことができるのである。盆踊り、踊念仏、ええじゃないか。、江戸時代の人々は世直しを求めええじゃないかを起こしたと言われているが、これらは人々の狂乱の中に魂を込めているという点で遠くないであろう。『太陽の塔』ではクリスマス粉砕を掲げ四条河原町で「ええじゃないか」を起こしたように、(詭弁ではあるが)アンジュルムはこの意味不明なインド風の楽曲とボリウッド風のMVで「ええじゃないか」と人々を踊らせたいではないか。人々は知らずに「アッチャアッチャ アッチャアッチャ」と歌い踊れば、改元間際、様々な問題が蔓延るアイドル界を、世直ししたいというの願いが形になる。誰か友人3人組で渋谷のスクランブル交差点で「アッチャアッチャ」と呼びかけて欲しい。「ええじゃないか」ならぬ「アッチャアッチャ騒動」を起こすのだ…!

太陽の塔 (新潮文庫)

太陽の塔 (新潮文庫)

 

つまり我々にとっちゃあ、恋は「アッチャアッチャ」で、愛は「46億年」なのである!レッツ アッチャアッチャ ダンス エブリデイ!ノッていこう!

 

ちなみにええじゃないかと同時期に流行ったのが、御陰参りで伊勢神宮を参るといったもの。ああ伊勢ちゃんおそるべし…!

f:id:zeroplusalfa:20190403234613j:image

 

 

*1:オリンピックだからとも考えてみたが、太極拳は種目にない

*2:仏像好きのあやちょの卒業シングルだし…。