That Means A Lot

幻想とじゃれあって 時に傷つくのを あなたは無駄だと笑いますか?

新・クイーンのすすめ!〜25歳の若造より、「ボヘミアン・ラプソディ」をこれから観る人に捧ぐ〜

観にいってきました。「ボヘミアン・ラプソディ」。もはや説明不要だろうけど、伝説のバンドQueenの映画。中学生時代に全アルバムのライナーノーツを読み漁っていたくらいに好きなバンドの映画となれば、予告編を観た時から公開が待ち遠しくなるのは言うまでもない。あえて小学生並みの感想を述べるのであれば、「とても、とても、良かった。」スカッとするとか、感動するとかより、圧倒されます。あっぱれ。史実への忠実さや内容とかそういうのを語るのはナンセンスで、*1とにかく沸いたもん勝ちな映画。

けれどもさまざまな口コミの中には「Queenを知らなくても楽しめる」なんてあるけどそれは嘘。少しは予習したほうが絶対良い。黄色い熊さんは「何もしないは最高の何かに繋がる」と曰われておりますけれど、この映画に限っては何かしたほうが確実に楽しめます。


そこで今回は、Queenは詳しくないけれど、これから「ボヘミアン・ラプソディ」を観に行こうと思っている方に、時間のない人順に勉強すべきことを「25歳のQueenをリアルタイムで知らない若者」が偉そうに教えてあげます。これでQueenといえばボーン・トゥ・ラブ・ユーでしょ!状態な人でもこれで大丈夫*2

  • そのまえに、まずQueenとは

f:id:zeroplusalfa:20181114095755j:image

70年台後半にギターのブライアン・メイ(右から二番目のもじゃもじゃロン毛)とドラムのロジャー・テイラー(一番左の金髪イケメンロン毛)の前身のバンドに、フレディ・マーキュリー(左から二番目の当時はヒゲではなく毛深いロン毛)が加入し、最後にオーディションでジョン・ディーコン(一番右の地味ロン毛)が加入して結成。

ファーストアルバム「Queen / 戦慄の王女」はレコード会社にあっためられすぎてリリース時から時代遅れ、2枚目「QueenⅡ / クイーンⅡ」でら好き放題やりすぎて頭のカタい評論家からは理解されず*3。3枚目の「Sheer Heart Attack / シアー・ハート・アタック」で「キラー・クイーン」がヒットし、4作目で映画のタイトル「ボヘミアン・ラプソディ 」擁する不朽の名盤、「A Night At The Opera / オペラ座の夜」をリリース。次ぐ「A Day At The Races / 華麗なるレース」でオペラなサウンドを熟成させきってからは、当時の音楽の潮流に乗るように徐々にシンプルな音へ転換。「News Of The World / 世界に捧ぐ」では「We Will Rock You」と「We Are The Champions」を収録。「Jazz」ではプロモーションで全裸の女性を自転車に乗せてレースをさせて物議を醸し、70年代を締めくくる。

f:id:zeroplusalfa:20181114102042j:plain

80年代に入り、メンバーも髪を切り、フレディもひげを生やしておなじみの姿に*4。(話はそれるが、今回の映画の俳優陣は本人たちと顔がそっくり。ライブ映像なんかはもはや「細かすぎて伝わらないモノマネ」レベル。)「The Game」ではジョンがブラックミュージックを上手く取り入れて全米No.1に。これで味を占めたジョンとフレディはディスコブームに身を委ねながら「Hot Space / ホット・スペース」をリリースするも、今度は『こんなのクイーンじゃない!』とそっぽを向かれてしまう。すでに世界中で熱狂的なファンが1匹のテディベアと1人のダメ男しかいない映画のサントラを作って大コケしていただけに*5、さすがにやばいと思ったメンバーは作風を戻した堅実な「The Works」を発表するもソロ活動や印税の分配金かなんかやらでバンドの仲は悪くなるばかり…。そこにアフリカの飢餓救済を目的としたチャリティコンサート「ライブ・エイド」のオファーが舞い込むのであった…。


ここまでが映画の内容とかぶるライン。このまま書いいてもキリがないと気づいたので一旦中断。本題へ入ります。

  • 時間がない人へ

券が余ってると知り合いからさっき連絡がきて今から行くという人は、このライブ・エイドQueenのパフォーマンスを観てから劇場へ行ってください。そうではない人もこの映像は絶対観るべきです。これを観れば観るほど楽しめます。

youtu.be

時は1985年。アフリカの飢餓救済のために開催されたチャリティコンサート。当時では画期的だった全世界への生中継も実施されたとのこと。Queenの歴史を学ぶと必ず出てくる単語で、日本史に例えるなら「日露戦争」くらい大事。赤線ひこう。劇場ではこのシーンで当時のウェンブリー・スタジアムへタイムスリップできます。しかしなんでフレディさんは観客を煽るときに「イーロリロリロレロッ」というのだろう。*6

  • 明日観に行く人へ

時間はたっぷりあります。このアルバムでなんとかしましょう。

「グレイテスト・ヒッツ」

Greatest Hits

Greatest Hits

  • クイーン
  • ロック
  • ¥1600

かつて親父が「ベスト盤にも良し悪しがある」と、話をしてて、ベスト盤に名盤もクソもとか思っていたが、これを聴くと確かにわかる。フレディの死後、事あるごとにベスト盤を出してきたQueenの中でもこれが一番良い。映画の中に使われる曲もだいたいこの網羅できるのは映画製作人の配慮なのだろうかってくらい。ちなみに2006年くらいに出てブームの火付け役となった「ジュエルズ」ではないので注意!

  • 来週観に行く人へ

このアルバムを聴いてください。

「A Night At The Opera / オペラ座の夜」

A Night at the Opera

A Night at the Opera

  • クイーン
  • ロック
  • ¥1300

「A Day At The Races / 華麗なるレース」

A Day at the Races

A Day at the Races

  • クイーン
  • ロック
  • ¥1300

「News Of The World / 世界に捧ぐ」

News of the World

News of the World

  • クイーン
  • ロック
  • ¥1300

「Jazz」

Jazz

Jazz

  • クイーン
  • ロック
  • ¥1300

「The Game」

The Game

The Game

  • クイーン
  • ロック
  • ¥1300

1975年から80年までの5作。この順で聴くとなお良し。「Queenといえば」という音がたくさん詰まっている中に、時代の流れに乗って徐々に変わっていった音も感じ取れるかもしれません。さらに時間のある人はライブの映像も検索してみて下さいどうぞ。クセがすごいけれど…。

  • 暇な人へ

全アルバム聴いてください*7。ありがたいことにQueenの曲はサブスクでこれでもかというくらいに配信されています。そして、できればそのアルバムについて調べながら聴いてください。本当は2018年11月11日にやったNHKラジオの「今日は一日○○三昧」のQueen特集を聴いてほしかったんですが時すでにお寿司。ちなみにスタジオアルバム全部聴いてもだいたい10時間くらいだからトントンだね!


どれがネタバレになるかいまいちわからないので、映画についてはあまり語らないけれど、とにかくこれでばっちり楽しめるはず。あとは劇場でロックしてくるのみだけれども、是非、立川シネマシティで観ることをオススメします。もう終盤はライブハウス。あれ?なんでこんなライブで地蔵かましてんだってなるくらい。またシネマワンとツーを間違えて冷や汗だったけれど、映画でも鳥肌おったててました。

ちなみに「若造がなにを」と思う方はQueenをずっと追っかけていた東郷かおる子さんのインタビューを是非。やっぱり当時を知るお方の話を見たほうがずーっと説得力がありますね・・・。

mora.jp

あと、映画はライブ・エイドまでなので、その後のQueenについてはかなりあっさり済ませられちゃってるけれども、このあとフレディが亡くなるまでにあと3枚アルバムが出てます。どれも大御所感のある良いアルバム。その中の私のおすすめは「ザ・ミラクル」が私は一番好き。詳細はウィキペディアにすごく詳しく書いてあるから時間のあるときにでも観てみて。All Right!!!

クイーン (バンド) - Wikipedia

 

 

*1:外国では映画評論家と観客の評価に大きく開きがあるとか。

*2:あれは事実上のカバー曲だもんね!

*3:ひととおり聴いてから聴くと傑作。ちなみにこの頃から、少女漫画味があるという理由で日本では大人気だったらしい

*4:ただしブライアンはもじゃもじゃ

*5:フラッシュ・ゴードン

*6:まあスティングは「いよーーーっよー おー」だけど…。

*7:ただしフラッシュ・ゴードンはまかせます