That Means A Lot

幻想とじゃれあって 時に傷つくのを あなたは無駄だと笑いますか?

柏レイソル歴代外国籍選手列伝(2009年以降 完全版)

2009年以来のJ2を戦う柏レイソル。昨年のメンバーがほとんど残り、誰もが前回降格時のような連勝街道を突き進むことを信じていたが、開幕4連勝したところで街道は曲がりくねり、やがて峠となってしまった。今やすっかり点の取り方を忘れ、沼に片足を突っ込んでいる有様ではあるが、ここは週末の愛媛戦のボロ負けの傷口を慰めるべく、流行りに乗ってかつて在籍した外国人助っ人を振り返って気持ちを切り替えることが必要だと考えた。まあ本当は「みんなやってるから」とミーハーの血が騒いだのだが。noteを持っていない人でも書くんだぞということで、ブログの媒体が違うのは気にしない。

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 柏レイソルの助っ人というのはブラジル人が圧倒的に多い。基本的に実業団から毛が生えたようなクラブなので、チームが苦しい時に親会社がこれでいいもん買って来いと大金を渡すスタイル。これはクラブ黎明期でカレカを呼んだ時から変わっていない。その大金で素晴らしい活躍をした人もいれば、数億無駄にしたレベルの選手もいくらか。などと書く中で頭の中ですらどんどん書きたいことが湧き上がってきたのだが、流石にジャメーリやシルバなどは10000ゴールのブルーレイでしか見たことがないしいつまでたっても終わらなさそうなので、(大方の人がそうしているように)ここ10年に絞ってやってみることとする。

 

2009

ポポ

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Kリーグの慶南FC時代、カボレ(元東京)と共にゴールを量産し、「ポポキャノン」と「リーグ得点王ランキング2位」という肩書きを引っさげて来日したブラジル人。リーグデビュー戦となった2008年の開幕戦こそ川口能活ファンブルを誘うキャノンを放ったが、それ以外は完全にノーコンであり、東葛地域では直接フリーキックを決める選手はジョルジ・ワグネルの登場まで都市伝説と化したのである。熱く、とにかく走り回っていた印象があるが、それは今にして思えばスケールが一回り小さいクリスティアーノだったのではないか。退団後は神戸、浦和、磐田と渡り歩き、浦和在籍時に国立で対戦し、ロスタイムに栗澤と菅野と交錯したボールが入るというなんとも熱い恩返し弾を喰らったのも思い出。

 

アルセウ

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柏がいつからかずっと夢見ている「外国人チート級ボランチ」のうちの1人。ひたすらにゴツくイカつく、深夜の二番街ではすれ違いたくない。プレースタイルも守備面ではブルドーザーのような奪取力を発揮したが、攻撃がどうにもならなかった。彼もまた弾丸シュートとロングスローが武器という触れ込みがあったが、ほぼ幻と化していた。ちなみに2009年は再入団であったが、膝の怪我により登録抹消され、その後もあまり試合に出ずにさようなら。退団後も石崎監督に重宝され、札幌をかすめたあと山形でプレーしていた。

 

アデバヨ

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正直、3人目で心が折れそうなほどに覚えていないのである。ドゥンビア(現ジローナ)みたいなアフリカ人という印象が当時から残っているが、公式戦には出ることなくヴェルディへ移籍していった。父もナイジェリア代表で、自らもユース年代の代表であったころから、やはりドゥンビアをもう一度政策だったのだろう。代理人がキックボクサー選手だったアンディ・オロゴンだったらしい。なんじゃそりゃ。

 

パク・ドンヒョク

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高橋監督のもと、守備が崩壊し低空飛行どころか地面にめり込む勢いだったチームのテコ入れ策第1弾としてガンバからやってきたDF。まさに熱血漢で、熱すぎるが故に要らぬカードも多かったが、セットプレーでも得点源となり、昇格するまでは守備の要として大いに貢献してくれた。退団時にはスピーチの冒頭を日本語で話すなど、義理堅い韓国人であった。去年は牙山というチームの監督として韓国キャンプを行っていた柏と練習試合で対戦している。チャントはクイーンの「Fat Bottomed Girls」が原曲。

 

フランサ

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言わずと知れた「魔術師」。常人の発想の2枚上を行くプレーに魅了させられたが、あのプレーは穴の空いたモレリアから生み出されていたというのだから尚更驚きである。入団時はその独特なプレースタイルが災いし、チンタラやってるということでコアの反感を買ったが、その後は才能を遺憾なく発揮。彼なくして、彼の運動量を他が死ぬほど走ってカバーしていた石さん時代は語れない。ネルシーニョ就任後はダッシュ機能も搭載し、相手ディフェンスをドリブルで振り切り、敵味方問わず「あんなに速いとは思わなかった」と言わしめるなど新境地へ突入しかけたが徐々に構想外となりシーズン途中に退団。現在はギロッポンで社長さんをやっているとか。私は今でも最高の助っ人には彼を推しています。

 

アンセウモ・ハモン

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2009年の夏に補強された長身ブラジル人FW。来日後の練習試合で1試合8得点という怪情報が出回ったが、彼のピークはそれまで。電柱というより公園で遊ぶ子どもたちのボールをひっかけて返してくれない大木のように、とにかく球離れの悪いFWであった。シーズン終了後に文字通り破門。

 

2010

レアンドロ・ドミンゲス

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2011年JリーグMVP。「ニーヤン」という愛称とは裏腹にピッチでは「王様」。ボールを預ければドリブルもパスもシュートも一級品。今でこそイニエスタとか来ちゃうリーグになったが、当時はトップクラスの反則級の外国人助っ人であった。一方で末期は怪我に泣かされた上にラフプレーも目立ち、ネルシーニョに見切りをつけられて名古屋へ移籍。その晩節の汚しっぷりと別れ方は残念ではあったが、CWCやACLでも格の違いを見せつけ、クラブの歴史に名を刻んだレジェンドである。ちなみにピッチ外では公式サイトの「No.1イケメン」の質問欄に「自分」と答え、他の年には「ワイルドな男」「スーツが似合う男」でもしっかり「自分」と答えるナルシストでもあった。息子もしっかりアルマーニを着こなしていたとの情報も。現在は横浜FCでプレー。柏時代のチャントの原曲は「恋のフーガ」。

 

エフライン・リンタロウ

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ノグチピント・エリキソン以来の日系人プレイヤー。しかしそれしかわからない。ブラジル人ながら、中学時代から日本で暮らし、中京高校からの入団なので助っ人かといえばそれもまた微妙な括りであるが、鹿島はカイオでそれが上手くいった一方、彼は結局1試合も出ることなく岐阜、秋田とレンタルされ、退団してしまった。その後は琉球、桑名、青森、鈴鹿JFL地域リーグを渡り歩いている。

 

ホジェル

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圧倒的なフィジカルを売りに夏にやってきたFW。たしかに体は強かったが「良い奴」すぎた故にボールを持つとレアンドロばかり探してて不器用なFWだった印象。結局フィジカルの強いFWとして田中順也が育ったので、昇格後は2試合しか出れずに退団。そもそも前に春に入団したレアンドロがスーパーすぎたが故に必然的に期待値が上がり、結果期待はずれ扱いされたかわいそうな選手でもある。その後はボタフォゴなどでプレー。娘さんが全盲で、ゴールを伝えるために立体板を使って伝えた話や、自身も腎臓癌に侵されつつも手術後に復帰したという胸が熱いニュースが退団後も伝わってきている。良い人だったので頑張ってほしい。

sportiva.shueisha.co.jp

 

2011

ジョルジ・ワグネル

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サンパウロからやってきた優勝請負人。なんといっても武器はその左足。リーグデビューの開幕戦でフリーキックをもらった時点でガッツポーズをしていた味方選手がいたらしい。最初はサイドバックだったがそこが穴とバレた後は一列前でプレー。派手なプレーというよりは、どこかバタつきながら左足で想像できないようなプレーをひょいひょいしていたのを覚えている。1番印象的だったのはアウェイ新潟戦でリフティングしながら相手をかわし、自分の頭にボールを当ててそのボールをダイレクトボレーして決めたやつ。レアンドロが離脱中でもチームを支え活躍し、ネルシーニョ政権下では珍しいシーズン終了後の円満退団でお別れ。が、あろうことがその後憎っくき鹿島に入団。この時ブラジルメディアが「Kashima Reysolに移籍」というよくある間違いをしでかしてくれたおかげでぬか喜びからのどん底を味合うこととなる。結局鹿島でも半ばお払い箱となってしまい、より一層フクザツな気分を味わうこととなる。チャントはタイガーマスク。親父は今でも試合中に「ジョルジュがいればなあ」と嘆く。ジョルジだよ。

 

クォン・ハンジン

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大卒ルーキーながら柏に入団した韓国人選手。柏ではサイドバックをやっていた。あまり試合に絡めなかった中、スタメン出場した広島戦でゴールを決め、その次の試合でやらかしてそれっきりだった気がする。退団後は下請けの湘南、熊本を経て草津へ。それなりに試合に出た後に済州ユナイテッドの一員に。しかしあのACL浦和戦で槙野を襲撃し試合終了後にレッドカードを提示され、悪い方で有名になってしまった。ちなみに柏に所属した外国人選手では、エジウソンが養育費の支払滞納で逮捕されたり、チェ・ソングク八百長で追放されたりもしている。それでも茂原に敵わないのだが。

 

安英学

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アニキ。魂の男。かつて2009年くらいに水原で干されていた際にも獲得を試みたが水原の嫌がらせにより獲得できず、2011年に晴れて入団。出場試合自体は多くなかったが、クローザーとしてハードワークし、試合を締める役割をこなしていた。ただそれよりもちばぎんカップで交代枠を使い切った後もひとりでアップを続けるなど、フットボールに真摯に向き合ってきたその姿勢は若手のみならず、柏の全選手の手本となった。2017年のアウェイ新潟戦では引退セレモニーを行い、わざわざ柏のユニを着て男泣きしていた姿が印象深い。チャントは「気になる女の子」。かなり好きなチャントでした。

 

2012

リカルド・ロボ

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栃木で得点を重ねていたところを引っこ抜くというガンバ大阪的補強で加入したFW。確かガンバも狙っていたはずだが、とれなかったかなんかで隣の草津ラフィーニャを引っこ抜いたという話を聞いたことがある。しかし柏に加入してからはどうも波に乗れず、ぼろ負けした広島戦の後にネルシーニョがブチ切れて、キタジと共に名指しで批判されチームから追い出されてしまった。そこから歯車が狂ってしまったのか、いろんなクラブを渡り歩くも来る前の栃木にいたような活躍を見せなくなってしまったので、彼を思い出すと今でもなんだかとても申し訳ない気持ちになる。

 

ネット・バイアーノ

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ロボがいなくなったので代わりに取ってきたFW。ジェフというライバルチームに所属経験のある選手を獲得するという新しい手法に驚かされたというよりは、ジェフでもそんなにパッとしなかったネットという選手を獲得したことに対する驚きの方が大きかった。ほんの少し抱いた「もしかして覚醒しているかも」という期待は、鳴かず飛ばずの箸にも棒にもかからない柏的電柱な成績で裏切られ、一級品だったのはジンギスカンの「マチュピチュ」を原曲にしたチャントのみ。天皇杯の湘南戦でロスタイムに劇的決勝点を挙げたが、どちらかというとユース相手の天皇杯オフサイドフラッグが上がっている中3度ゴールを決め幻のハットトリックを達成したことと、ぼろ負けしてた大宮戦で芸術的ループを決めてはしゃいでネルシーニョに怒られたという印象の方が強い。なおチャントの中毒っぷりはお披露目された際に対戦した東京サポがあげた動画でも見て取れる。

youtu.be

 

2013

クレオ

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広州恒大でベンチを温めているならと言うことでレンタルで引っ張ってきた。セルビア国籍も持ちUCLにも出場経験がある。リーグ開幕戦でいきなり2ゴール。しかも2点目は裏に抜け出し、中澤聡太と引っ張り引っ張られもつれながらも負けずに流し込み、フィジカルもテクニックもスピードもあってさらには献身的なイケメンという、もうそれはブラジリアンではないのではないかと疑いたくなるほどに夢のようなFWであることを証明してみせた。なんだかんだでレアンドロ・ドミンゲスジョルジ・ワグネル以来の大当たり助っ人。レンタル期限が近づくにつれ、「中国は空気が汚いから帰りたくないって奥さんが言ってる」とかいう謎の発言をポジ要素に残留を願っていたが、あえなく1年で戻されてしまった。チャントの原曲は「バナナボート」

 

キム・チャンス

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酒井宏樹の移籍以降埋まっていなかった右サイドバックとしてやってきた韓国人。酒井宏樹ほどのダイナミックさはなく、3年間で70試合以上に出場と活躍してくれた…のだが、それまでの韓国人プレイヤーが熱すぎたのか、彼が堅実過ぎたのか、要は地味だったので加入当初は兵役あけのものすごい変な髪型の印象以外に特筆すべく話が出てこない。そのせいかチャントも作られなかったが、堅実に走り、堅実に守るそのプレーぶりはいなくなった後で価値がわかった。韓国代表としてもちょくちょく召集されていた。

 

2014

ハン・グギョン

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2014年になっても柏レイソルボランチを探していた。昇格、リーグ優勝、天皇杯優勝、ナビスコ優勝を果たしながらも大谷と栗澤を超えるセンターハーフがいない状況を憂い続けたフロントが湘南から連れてきた韓国代表。出た試合ではその期待に応える働きをしてくれたが、ワールドカップイヤーで大事に大事を取っていたせいか試合にあまり絡めず。じゃあワールドカップ以降に活躍してくれるんだねと思ったら石油王に釣られていった。いくら海外とはいえカタールで良かったのか!というと中島翔哉に怒られるので自粛。チャントがとにかく攻めていて「ハクション大魔王」をそのまんま「ハン・グギョン大魔王」として歌っていた。壺の中から飛んでくるなんて言われるサッカー選手なんて他にいないだろう。

 

レアンドロ

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レアンドロ2号。それまで渡り歩いていたチームで対戦するたびに点を決められるので、それならば取ってしまおうと誰もが一度は考えるやり方でとってきた。入団経緯的にはロボやネットのようになるのではという悪い予感もあったのだがそこはモンちゃん。Jリーグの歴史の中でも長く活躍し続けている選手だけあってきちんとコンスタントにゴールを量産していた。シーズン前のデジっちでレアンドロ・ドミンゲスと重なり「幽体離脱~」を披露した時は今年は優勝できると確信したものだが…。もう離さないずっとそば居てほしい選手だったが、吉田の達磨さんが何故か干したのでネルシーニョが神戸へと連れていってしまった。現在はヴェルディでプレー。

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ドゥドゥ

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ドゥドゥ2号。顔が松潤に似てると思うという話を嵐ファンの母に話したら全力で否定された。ワールドカップに出ていないはずの田中順也がなぜかワールドカップ後にポルトガルへ引き抜かれたので代わりにフィゲイレンセからローンで加入したアタッカー。フィットに時間はかかったが、鹿島戦で曽ヶ端にクリアをぶつけてもらって初ゴールを挙げると波に乗り終盤の7連勝の立役者となった。チャントは「アホの坂田のテーマ」。コアサポが教え込んだ甲斐が実り、ゴールを決めると踊ってくれていた。その後は甲府、福岡に在籍し、甲府にはこれまた熱い恩返し弾を浴びた。何を思ったのか柏はここからドゥドゥを集めるようになる。

 

エドゥアルド

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ドゥドゥ3号はストッパー。既に鳥取、栃木でキャリアを重ねていたところを引っこ抜いてきた。ドゥドゥ2号がドゥドゥで登録されてしまったのでドゥドゥ3号と呼ぶわけにもいかず登録名をエドゥアルドにしてもらった経緯がある。それでも23番はオカマのつける背番号だと同郷の選手からいじられていたとかなかったとか(2年目からは13番に)。ユース年代のセレソンだったこともあり、対人では負け知らず。フィジカルも縦パスの意識もたまにみせるムラも期待通りなブラジリアンのイケメンだった。ACLでの戦いで重宝され、今後もしばらく残ってほしい思った矢先に悪名高きミルトン・メンデスの代理人戦争に巻き込まれいじめにあい逃げるように川崎へ。もったいない。今は松本でプレー。

 

2015

エデルソン

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レアンドロ2号を干していたらいなくなってしまったので、カタールからとってきたアタッカー。ブラジル全国選手権得点王の肩書き通り、デビュー戦で早速得点し大当たり外国人だと喜んだのもつかの間。吉田の達磨さんもシモさんもあろうことか彼を干したのである。たしかにいかにもブラジル人アタッカーという感じで運動量が少なくスタイルに合わないといえばそうだったのだが、高額な移籍金の割にはそれに見合う活躍を披露できないまま帰っていった。JFA主管の試合では11番をつけていたが、ACLではこだわりから77番をつけることとなっていた。しかしその姿は日立台で彼に夢を見てACLレプリカユニに彼のネームを入れたを人でしか見ることができない。

 

クリスティアーノ

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柏レイソル伝統の背番号9を背負う男。栃木、甲府に所属したのち、当初はレンタルで獲得。なんといっても魅力はそのキックであるが、どう見てもノーコンだったので獲得時の期待値はそこまで高くなかった。しかしいざ柏に加入すればサイドで起用され、献身的に激しく上下動し、ブルドーザーのようなドリブルから鋭く切り返し、正確なクロスを供給し、たまに目の覚めるようなゴールを決めてくれる。そして何よりも熱い男なので、どんどんサポーターのハートを鷲掴みにした。彼もまたメンデスの代理人戦争で一度退団し愛車を下取りに出していたところを甲府に拾われるが、シモさんに代わってから完全移籍で再獲得。この年は伊東純也も引き抜いているので甲府はさぞかし迷惑だったであろう。今ではすっかりチームの中心になり、良くも悪くも彼次第なチームになっている。うまくいかないと焦ってカリカリし、ファウルをもらえないと主審、副審の順に3分近く甲高い声で文句を言い続けるほどの瞬間湯沸かし器ではあるが、敬虔なクリスチャンであり、試合前のお祈りは欠かさない。酒も一滴も飲まず、試合前は賛美歌を聴いて気持ちを高めるという。チャントは「ヒゲのテーマ」。こちらもたまに本人が踊る。

 

2016

パトリック

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メンデス新監督のもと、エドゥアルドを追い出したあとで「とっておきの選手がいる」ということで連れてこられたブラジリアン。しかし実態はメンデスお抱えの代理人のコネによりやってきただけであり、ネタでも謎でもなくコネ外国人という新境地をひらいた。結局姿を見ることなくメンデス更迭後にすぐいなくなってしまったが、ブラジルでも州リーグ下部のチームの控えという実績のなさで、彼が本当にサッカー選手だったのかもわからない。一応サインはあるようだが…。

 

ジュリアーノ・ミネイロ

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彼もまたメンデス新監督のもと連れてこられた東ティモール国籍の実質ブラジリアンコネ外国人選手。結局1試合も出ることなくシーズン半ばで去っていった。チョンブリ在籍時はACLプレーオフで対戦し、数試合にはベンチ入りしていたのでサッカー選手であることはたしか。主戦場はトップ下ができるということだったのだが、本当に戦力となれる能力を持って獲得したのかと言われるとわからない。顔が少し輪湖直樹に似てた。

 

ディエゴ・オリヴェイラ

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彼もまたメンデス監督のもと以下略。今は東京で大活躍、以前川崎も獲得を狙ったとの話を聞けば実績豊富なストライカーなのかと考えるが、それまでは大した実績もなく、まずキックモーションが変、利き足もどっちかわからず、なぜかキーパーもできるというアヤシイ選手だった。ここまでならメンデス時代の他の助っ人と被るのたが、いざ加入してみれば、東京ガスの「パッチョ」のようなケツをはじめとしたフィジカルの強さと懐の深いドリブルと献身的な動きが不思議とフィットしてゴールを量産。「アレンダビーバー」という言葉が柏市で流行し、これから柏のストライカーとして大輪の花を咲かすのかと思った矢先、あろうことか外国人枠を理由にシモさんは干したのである。そして干しっぱなしにしてたら東京へ移籍し、大きな花を咲かせましたとさ。つらみ。

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ドゥドゥ

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ドゥドゥ4号。ベンフィカのユースを経てクルゼイロから借りてきた若造だったのだが、ここまでくるといい選手という基準より、「ドゥドゥという名前がつく中でいい選手」であることが獲得理由だったはず。C契約だったのであまり試合には出れず、散々外国籍のお方に振り回されたシーズンだったのでこのままさようならかと思いきや翌年も残留。カップ戦でいかにもブラジルの小僧らしくちょこまか動き回っていて観るのは楽しい選手ではあっものの、ルヴァン杯で大怪我をしてしまい登録抹消。そのままお別れとなった。

 

2017

ユン・ソギョン

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元プレミアリーガーの左サイドバック。ユース年代から韓国代表で上背もあり、左・韓国版酒井宏樹みたいな活躍を期待していたのだが、いきなり怪我で躓き、その後も前所属のブレンビーで試合に出れず試合勘が鈍っていたのか、周りとどうも噛み合わなかった。アウェイのセレッソ戦であげたクロスは素晴らしかったのだが…。結局、輪湖のレギュラーの座を奪えず、そのうち外国人選手枠の関係でベンチにも入らなくなってしまった。本人も結局ワールドカップの代表争いから脱落し、FCソウルへと片道切符のレンタル放出。色々と勿体無い選手であった。

 

キム・ボギョン

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元プレミアリーガーのセンターハーフ。かなり有名どころの外国人選手の補強は嬉しかったものの、すでに枠が埋まっているのになぜ補強するんだという疑問符も。これまで他チームで見てきた通り、献身的に走り、ギアチェンジとなるパスを供給できるので、見ててやっぱり上手いなあと感心する選手だった。監督が加藤望に代わった際にはホン・ミョンボ以来の韓国人選手キャプテンに任命されてそこから干されるという斬新な方法で憂き目にあう。結局終盤に岩瀬さんに代わった際には戻ってきたもののシーズン終了後にレンタルで蔚山へ。「もう一度柏で認めてもらえるように」というエモーショナルな言葉を残し去っていった。誰もが君をすでに認めてるのにごめんよ。ちなみに嫁さんが元CAでK-Popアイドルかってくらいに美人。加藤望はそれに嫉妬したんだろうな。知らんけど。チャントはムヒのCMソングから。

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ハモン・ロペス

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仙台で活躍してるところを札束で掻っ攫ってきたFW。他チームで活躍していた外国人選手を直接引き抜くというのはロボ以来あまりいい思い出がなかったのだが、彼もまたその通りになってしまった。思えば圧勝したちばぎんカップでダイビングヘッドを空振りしてからずっとスランプだったのではないか。しかも長身とフィジカルが売りのはずなのになぜか左サイドで使われて終始やりづらそうにプレーしていた。アウェイ浦和戦では目の覚めるようなシュートを決めたものの、トータルで見れば成績もチャントも仙台にいた方が良かったのではないかと思えてしまうのがまた悲しい。結局フロントが数を数えられなくなり外国人選手枠の関係でベンチ外に溢れていたところ、破門ではなく彼の方から三くだり半を突きつけられて契約解除。今は仙台へ戻っている。

 

2018

パク・ジョンス

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2017年シーズン天皇杯の準決勝、対戦相手としてクリスティアーノを散々苦しめ、試合後に一悶着を起こした要因として、柏サポの勝手な被害妄想で悪名が高まっていた最中のまさかの加入。誰もがクリスティアーノとの関係性を心配したが、デジっちできちんと和解。「昨日の敵は今日の友である。」の故事成語みたいなエピソード。長身で競り合いにも強く、足元がありビルドアップにも長けていたのだが、どうも波があるらしくチームの不調と共に彼もなぜか不安定になってしまい、古巣対戦のマリノス戦では信じられないミスからゴールをプレゼントし、やっぱりマリノスのスパイだろとまたもヘイトを溜めてしまった。今年も一応在籍しているのだが、完全にネルシーニョの構想外でグッズ紹介の写真で存在が確認できる程度。天皇杯の登録にも漏れたので、夏にいなくなってしまうかもしれない。

 

ナタン・ヒベイロ

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とにかくロスタイムに失点するわ、中谷はいなくなったわで補強されたストッパー。カタール国籍を持ってるからアジア枠だね!と思ってたら何故かブラジル国籍で登録されてしまい外国人選手枠をまたも圧迫してしまう要因となる。どうなってんだ。たしかにフィジカルコンタクトは強く、ブラジル人のCBらしくタテへの意識も強かったのだが、パク・ジョンスとの連携がイマイチだったのと(そもそも何語で話してんだ)、負傷離脱してからは鈴木大輔の加入もありそのままフェードアウト。ただちょっとやそっとの怪我じゃ痛くてもピッチに戻ったり、前座試合でゴールが入るとちびっこたちといっしょに喜んであげるなど、真面目でいい奴だったのは間違いない。今はフォルタレーザに在籍。

 

オルンガ

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柏レイソル初のケニア人選手。これだけ助っ人外国人を振り返ってきてもブラジリアンとコリアンを除くとあのアデバヨ以来の他国籍選手となる。192cmのケニア代表、かつリーガエスパニョーラハットトリックもしたという申し分ない実績vs柏で電柱は大成しないという矛盾に真っ向から挑んだ結果、「めちゃくちゃフィジカルが強いがヘディングが下手くそで、足元はあるがオフザボールの質が悪い」というなんともムズカシイ選手となってしまった。それでも降格した今年は彼の能力は完全に規格外なので、ゴールを量産して通訳の早川エジソン氏を喜ばせている。基本彼を目掛けてボールをぶっ放せばどんなボールもいつのまにかマイボールになっているので、ただでさえ機能不全気味な柏の攻撃は彼がいないと完全に機能不全になる。大学を卒業し工学士を取得しているのでケニアでの愛称はエンジニア。Instagramではポエマーっぷりも遺憾無く発揮しており、かなりマメに更新している。柏加入当初はプロフィールに「Inspire The Next」と書いていたのだが何かに気づいて今はやめた。God Above All。

 

2019

ガブリエル

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伊東純也がベルギーへ旅立っていったので後釜としてネルシーニョのお墨付きで名門フラメンゴから借りてきたアタッカー。スピードが武器という触れ込みで期待値が青天井に上がっていたのだが、日立台の人々は伊東のあのスピードに目が慣れてしまい、あれより速い選手はサディオ・マネやモハメド・サラーしかいないはずなので、何が武器なのかわからない扱いをされているちょっとかわいそうな選手。ただ他にシュートがうまいとかパスが出せるとかいう違いも見せることができずに未だにパッとせず、困った顔でピッチ上をうろうろしているところをネルシーニョに叱られている。アウェイ琉球戦でゴールを決めたのであったかくなれば調子が良くなるかなと信じているのだが、もう6月なんですよね。

 

ヒシャルジソン

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柏がずっと夢見ていた「外国人チート級ボランチ」をついに叶えた親指。一度見たら病みつきになる圧倒的なボール回収力と推進力でJ2の中盤を荒らし回っている。しかしその激しさゆえにカードコレクターというありがたくない肩書きも付いて回り、デビュー4戦でイエローカードをコンプし早速有給を取得。今日(2019/6/12)現在でもう7枚もらってまたリーチ。試合が終わるたびに家族に電話して結果を報告する親孝行者なのだが、カードをもらったことまで正直に報告して母親に怒られているんだとか。チャントは「見よ、勇者は帰る」。

 

以上、34人。10年でこの人数は他と比べても可もなく不可もない数字のはず。こう書いてみると記憶の彼方からぼんぼんと湧き上がってくるものである。ここで愛情を3度裏返した上で好き勝手書かれているとはいざ知らず、自らの国を出てチバラキという中途半端なベッドタウンへやってきて必死にボールを追っかけ回すなんてありがたい話である。

近年は外国籍選手のドタバタ感は否めず、迷走しているのだが「柏レイソルはどんな時も強くなければならない」と言うのであれば、メンデスの時のようなエージェントに好き放題やられてたりしてはならないのである。ね~。シャチョーさん。

しかしそれでも「8人のユース選手に3人の外国人選手が理想」と宣っていた時期があるくらいで、ここには書かなかった選手でも、カレカ、エジウソンホン・ミョンボファン・ソンホン、ドゥンビアと、名だたる外国人選手が柏を彩ってきただけに、柏と助っ人外国人は切っても切れない縁なのだ。まだまだシーズンも長いし、また数年後彼らの活躍で美味しい酒が飲めることを期待したい。Go!Go!柏~!レイソール!