That Means A Lot

ゆとり世代にゆとりなどない

ビューティフル・ドリーマー

多趣味であることが数少ない自分の持つ誇りみたいな僕が、サッカー、F1、アイドルをリアルタイムで楽しめなくなる日が来るとは思わなかった。形はどうであれ、目の前で起こりうる出来事を体感し、大観衆のリアクションの波に呑まれることに惹かれて生きてきたので、人との接触やら、密集を避けなきゃならぬのであれば、それはまず避けなくてはならないものにあたるだから、仕方ない。でもやはり仕方ないと片付けるにしても、春の陽気を感じながらしまうには名残惜しい炬燵に入って観るオーストラリアGPとか、桜舞う日立台で観る試合で春という季節を感じてた自分には、やはりしんどい期間。大方の人がそうであるように、ウイルスが憎いよ。
救済策として過去の名勝負とかも配信されたりもするが、その全部に興味が持てるわけでないのは双方にとってもつらい話だろう。かといってテレビはつけている分気が滅入るので、ここ最近の週末は夫婦で引きこもってゲームして飽きたらサッカーしているのだが、映画を観ることに明らかに時間を割くことが増えた。

映画は、知らない世界へ僕らを引き込んでくれてだいたい2時間は離してくれないし、2時間後には別の気持ちを抱くことができる。おまけに頻尿の僕は家で観るときはトイレの心配もない。なかなか良いものである。

先日観たのはループ物の映画の金字塔「うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー」。大学時代に狂ったようにうる星やつらにはまった僕がこの映画を忘れるわけがない。使命感に駆られた僕は「うる星やつら」はラムちゃんとあたるの関係性くらいしかし知らない妻に、しのぶとサクラさんとメガネ、面堂終太郎の閉所恐怖症を叩き込んでソファに縛りつけて観させた。それでも面白いという話だったので、やはり名作なのだろう。
何度見ても、一見アホに見える話の中に垣間見れるセリフにどきっとする強烈な映画である。ラムが願った「みんなと楽しく過ごしたい」という願望。「夢がずっと続くんやったら現実なんか要らんのんやないか。なんでそこまでして現実に帰りたがるんや。」というコテコテの関西弁で話す夢邪鬼。その誘惑を振りはらい現実に戻るべく動く諸星あたる。楽しくて楽しくてこれがずっと続けばいい。この誰もが一度は抱く夢から帰ろうと跳べるのか?今であれば、なかなか刺さるテーマである。

趣味も取り上げられたような今の現実が現実なら、誰かの願った悪い夢と気づいて退場させられたいところだ。大っぴらには口に出してはいなかったけれども「週末の試合に一喜一憂し、平日は勝利のために善行を施し、F1とアイドルもあって目が足りない日々」を求めていたことに気づいた。そしてその気持ちをそっと枕元に忍ばせ、夢でもいいからという淡い期待を胸に抱いて、寝た。

結果、新婚旅行でいつぞやのフランスグランプリを観に行く夢を観た。行ったこともないポールリカールに。地元のアラン・プロストフェラーリを駆って勝ち、ニキ・ラウダがインタビューしていた。で、帰国したらすぐに大阪に転勤するよう命じられていた。脈絡はないけれど妙にリアル、なかなかよくできた夢だった。よく夢日記を書くとメンタルが壊れるというけれど、理想の良い夢を提供できる機械とかあればいいのにな。とまで考えたけれど、すでに世間には「どうぶつの森」というパラレルワールドが浸透しつつあることに気づいた。みんな持ってるし、そう考えるとますます欲しくなる。マスクはいいから、どうぶつの森を国民に配ってくれたらいいのにな。そして、そんなことも言ってたなぁと思える日が近いうちに来ることを。