That Means A Lot

幻想とじゃれあって 時に傷つくのを あなたは無駄だと笑いますか?

ブログを書き続けている意味なんてないけれど

こうして社会人になってしまって、前より周りに自分の意見を聞いてくれる人が減ったくせに、いろいろ考えることは増えて、だから誰も読んでくれなくてもいいけど、自分の意見はどこかに書き留めておかないと、いつか周りに流されるだけのつまらないサラリーマンになってしまいそうな気がしたから、またブログを書きます。

これは10年前の10月、初めての記事に自分で書いた文だ。

ブログを書く頻度がめっきり減ってしまった。ここで駄文を垂れ流すようになってからもう10年あまり。文を書くのが好きで、ブログはライフワークにするものだと思っていたからこそ、これを書いた記憶がある。しかしどうだろう。毎月一本は書きたいと誰にも言わない目標に反し、半年も書いていない。カッコつけて言うと、筆が滅茶苦茶に重い。

片手に若さという棍棒を、もう片手には「自分は他人と違う」「向いてない」という言葉を盾に、もがいていたつもりだったが、社会人5年目に『明け方の若者たち』、10年目に『タタール人の砂漠』を読んで気づかされる現実。あとはゴツゴツしていた岩が、下流に流されてどんどんまあるくなって河原の石ころになるように。少なくとも誰もが持ち得るはずの自己実現への意志と執念を安定運行と睡眠の質へと注ぐ僕にとって、刺激溢れる生活は遥か彼方の出来事で、意見や意志の泉は徐々に枯れてくる。

「綺麗事を言っているうちは、何も変わらないんだ」 『重力ピエロ』伊坂幸太郎 著より

こうやっていろいろ言い訳も書けば書くほどそれっぽくなるが、要因はもっと身近にある。AIだ。敵のような書いたが僕もチャッピーをすっかりしっかり調教して頼れる相棒にしている。あいつはすごい。会話をぶつければ納得感と肯定感を得られるレビューが秒で返ってくるし、一丁前の文だって作ってくれる。その一方でAIの10000倍の時間をかけてスロップ以下の駄文を垂れ流す僕のようなヘタクソには、居場所がさらに無くなったように思えてしまうのだ。これを認知的降伏とか言うのだろう。

…いや。嘘つけ。まだ逃げている。逃げるな。

「本当に深刻なことは、陽気に伝えるべきなんだよ」同著より

ずっと競馬のことばっか考えているからです。はい。

相変わらず競馬にハマっている。もう丸一年。1年ハマるものは果たしてハマるとかマイブームとかの枠に入るのだろうか?

弟がLINEを送ってきた。

それは昨年の9月末、新馬戦で勝ったジュウリョクピエロのレース動画だった。ジュウリョクピエロの名の由来は伊坂幸太郎氏の小説。僕の高校の大先輩ということで同氏の小説はよく読んでいた。そして控えめに言って僕のモノマネばかりしてきた弟もまた、同氏の小説をよく読んでいた。その時は馬主が3割打者と同姓同名で、オルフェーヴル産駒はダート馬が多いという話をするに留まったのだが、4月に忘れな草賞で同馬が快勝した際にも連絡を取って、さらにレースの前々週には伊坂幸太郎氏の誕生日がオークスの次の日だと知ってからは、俗に言うサイン馬券の存在を信じ、本棚からこの小説を引っ張り出して読み始めるイレコミっぷりだ。

そんな状態で臨んだオークス。馬群を割って上がってくるジュウリョクピエロに気づいた僕は、フジテレビの実況よりはるかに早く、テレビの前で騒いでいた。

自身の高校の先輩が書いた、兄弟が物語の中心の遺伝子がテーマの小説の名がついた馬を、兄弟がずっと話題にして、レースで父の遺伝子を思わせる走り*1をして勝つ。今村聖奈ジョッキーの大快挙のウラで、あの末脚と、これらの極めて個人的な奇跡にすっかり脳を焼かれてしまった。しかしいざ書いてみるとスケールが小さくて、くだらない。

「偶然はあるよ。後から意味を見つけていく場合にはよくあるんだ」 同著より

やっぱり捨てる?でもブログってのはAIへの細やかな抵抗を目的にしていない。そもそも奴は闘う相手でないし、誰かのために書くものでない。ただ僕の身の回りにあった些細な楽しいこととか、見つけた偶然を、忘れてしまう前にそれなりの鮮度と熱を持って、書き残すためにやっている。そこに残り続ければ、ラスコーの壁画のようにすごい大きな意味を持つようにも見えるかもしれない。

ちなみに馬券はというと、パドックの状態から*2僕は三連複の相手から外していて儲け損ね(単勝で買ってたからぎりぎりプラス。ここ大事。)、弟は完全に外していた。ウチの兄弟は最強ではないようで、代わりにこの一節を。

「見かけで物事を信じるのは大事なことではあるけれど、恥ずかしいことでもある」 同著より

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さあ今週はダービーですね。

*1:オルフェーヴルのダービーのような

*2:えらく発汗していて、あっさり解説者の言うことに流されてしまった