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天皇杯準々決勝 VS川崎 〜キングに栄冠を〜

10月後半。フットボールファンならちょっとひんやりとした空気に突き抜けるような秋晴れを見て、ナビスコ決勝の季節の到来を感じ取るはずだろう。きっとこれをわかってくれる人は、外で座ってるだけじゃ寒くなるようになるとJリーグの最終節の季節を感じ取るし、年末の忙しさには傾きかけた西日を浴びながら行われる天皇杯を思い浮かべ、正月のダラダラ具合には高校サッカーのテーマ「振りむくな君は美しい」が似合うというのも理解してくれるであろう。

雨上がりの等々力陸上競技場。試合後のデータを見ると気温は14℃と書いてあるけど、仕事終わりにコートも着ないでスーツ姿で観るには少々寒すぎる気候だった。逆にその寒さのおかげで天皇杯のアンセム「日本サッカーの歌」がとても似合っていた。要は肌寒い気候、理解不能な中立開催の影響でガラガラのスタンド、スポンサーの看板が少なくて妙にだだっ広く感じるピッチ、バックスタンドの真ん中から並ぶアウェイチームの横断幕があれば、元日決勝をかけた日本最大級のカップ戦である天皇杯の雰囲気が完成するのである。f:id:zeroplusalfa:20171027230218j:image

相手は前回大会準優勝の川崎フロンターレ。平日アウェイ且つBS中継があるというのは中途半端に行くのをためらう状況である。カップ戦なので90分で終わらないかもしれない。雨も降っている。それでもスタジアムへ向かう。柏バカだよなあと話してたらパート帰りに一緒についてきた母親がこう言った「アウェイに行こうがテレビでみようが負けた時の悔しさはそんな変わらないけど、勝ったときの嬉しさは違うもん」なるほど心強い。この名言を胸にこれからも柏バカでいよう。

結果的にその格別の嬉しさを味わうことができ、余韻に浸りながらTwitterをみていたら、クリスティアーノとタイトルを獲ったことがないことを知った。いや知ってはいたから改めて気づいたという方が正しいのか。思えば2014年シーズンの天皇杯で吉田政権下で後一歩で浦和に負けて退団していったし、2013年シーズンのナビスコ以来タイトル自体獲っていない。これはいけない。クリスティアーノとタイトルを獲らなくてはいけない。どうやらチーム内で「キング」と呼ばれはじめたとかいう記事があったが、とても良いじゃないか。フランサレアンドロ・ドミンゲスジョルジ・ワグネル…もちろん彼らもすごかったし、彼らのおかげで何度も勝たせてもらったけど、クリスティアーノにはまた何か違うところがある。もちろんとても上手い選手だけど、敢えて下手な言葉を選ぶと、がむしゃらとか必死で胸を打たれるものがあると言うべきか。僕はこの試合に限ったら中川が一番良かったと思うけど、クリスティアーノという選手は、それとは別にそういうことを思わせてくれる選手なのである。きっとそれこそが柏の9番というものなんだろう。

いよいよベスト4。戦術がクリスティアーノだろうが、次の日の仕事が溜まろうが、嬉しいもんは嬉しい。カップ戦なんか勝てばそれでよかろうなのだ。あと2つ勝てばチャンピオンになれる。あと2つ勝とう。あと2つくらい勝て。ここでちょっと前と比べるとタイトルに対する欲が変わってきていることに気づく。ちょっと前という抽象的な概念をもう少し具体的にするとネルシーニョが来る前と、来た後で。99年のナビスコが唯一のタイトルだった時代、カップ戦を勝ち進むにつれ「勝っちゃったよ!勝っちゃったよ!」という雰囲気があったはず。2008年シーズンの天皇杯決勝がそれで、この試合がACLに出るための最後の手段だったガンバに負けた。2012年シーズンにその逆の立場になった時は「勝っちゃった」の雰囲気じゃ全然ダメだというのがよ〜くわかった。気迫が違ったもん。そして水曜のこの試合の柏にはそのような意志の下でとても高いテンションで臨んでるのがひしひしと伝わってきた。こんなとこで無冠のくせにメンバーを落としてきたチームに負けるわけにはいかない。負けるわけがないのだ。