That Means A Lot

ゆとり世代にゆとりなどない

6年前にアンフィールドに行った話

最近、リバプールFCラボというサイトが面白いのでよく覗いている。どんなサイトかというのを紹介文をそのまま借りると「新スタイルの掲示板、相互発信型プラットフォーム」という名前になっているけど、勝手に簡単にするというと一種のまとめサイトみたいなもの。

lfclab.jp

選手のインタビューの翻訳記事や、試合後の採点など参加できる掲示板もある。話題はフットボールだけにとどまらず、チャントやユニフォームのデザインに関わるような記事もあって、1つのチームに特化したまとめサイトだからこそ可能になった多種多様なトピックがあるのが良い。

その中に「現地観戦」というトピックがありまして。読んでてそういえば自分もアンフィールド行ったということを思い出した。旅行記というものは、行った時は書こう書こうって思うのだけど、実際帰ってきてほとぼりが冷めてくるとどうもただの自慢ぽくなっちゃいそうなのが嫌で書いたことがない。でも読む側とするとそんなことなくて面白いのが多いし、わざわざご丁寧に記録に残してくださるといつか自分も行く時に参考にできるからとてもありがたいものなのである*1。自己満足が他人への貢献につながるんだったら書いた方がいいなあとかいう勝手かつ都合の良い解釈のもと、ここに書き留めることとします。

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自分がリバプールへ行ったのは今から6年前の2012年3月24日のウィガン・アスレティック*2。当日はイギリスでは珍しく1日中晴れていた。街の中心部からタクシーで移動。だいたいのイングランドのスタジアムがそうであるように、住宅地の真ん中に突然どーんとあるのがアンフィールド埼スタのようにあんなに遠くから見えているわけでもないので心の準備の前にドカンと現れる。本当にアンフィールドってあるんだ。そこからまず感激。そして日本のスタジアムじゃ考えられないような狭いゲートを通ってスタジアムの中へ。座席はまだ改修前のメインスタンドのアウェイ側*3で、座席はKOPのチャントというよりはウィガンのチャントのがよく聞こえる場所だった。

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You'll Never Walk Aloneはとても短く感じた

現地の人は本当に試合ギリギリにならないとスタンドに入ってこない。それまではスタンド下でビールを飲んだり、ビールを飲んだり、ビールを飲んで過ごしている。アップ時から歌う日本のサポーターは偉い。ただそれでも試合が始まるとなると相手がビッグクラブでなくともスタンドは埋まるし、最高の雰囲気になる。

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座席と狭い通路

リバプールのスタメンはレイナ、フラナガン、キャラガー、シュクルテルエンリケ、ヘンダーソン、ジェラード、スピーリング、ジェラード、ダウニング、カイト、スアレス。監督はキングケニー。懐かしいメンツである。少し考えればわかるがもうだいたいみんないない。ちなみにこの日のマッチデープログラムの表紙はスピーリングだった*4。この時はメイレレスとかコンチェスキーとかポウルセンとかいた(それでもチャーリー・アダムはいたが)ホジソン時代よりはマシになってタイトルも獲ったけれど、それもカーリングカップでカーディフ相手にやっとこさっとこPK戦で勝っていたようにあまり強いとは言えなかった時代である。対するウィガンはアル・ハブシとかマッカーシーマッカーサー、のちにリバプールに来たモーゼズにマロニーちゃんにディ・サントとかいた。監督はロベルト・マルティネスである。

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マルティネスはのちにお隣の監督に

このシーズンのウィガンは降格確実というくらいに弱く、これまでアウェイでわずか2勝。これははるばる日本から行って観る試合にしてはうってつけの試合。ビックマッチもいいけれど、やっぱり確実に勝つのがいいじゃん?ゴールラッシュが観たい〜!と浮かれまくり。日本で柏の試合を観る時はそんなこと思わずに気を引き締めろとか言いながら観るはずなのにね。こういうのをフラグというように試合が始まってもこれといったチャンスもなく退屈な展開で、あろうことかペナルティをとられ先制されてしまうのである。*5

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まさかの前半ビハインドで折り返し。あまりのシケ具合にどよどよするアンフィールド。これじゃまずいので後半頭からキング・ケニーは早速動く。ヘンダーソンに変えてキャロルを投入。今じゃチームの要のヘンダーソンを前半で下げるなんて!って思うけれどもこの時はデンプシーとトレードの話が出るレベルでどうしようもなかった*6。早速この交代が功を奏し、47分にスアレスが決めて同点に。しかし生で観てるとイングランド人のように点が入っても「イェーーーッ!!」と叫べないものである。まだまだこれからたくさん点が入るだろう。反撃の狼煙である。

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そして続く53分にもスアレスがクロスに合わせてシュートがネットを揺らす。イェーーーッ!!そして何とメインスタンド側に走って来た!目の前にキャロルが!スアレスが!シュクルテルが!!夢中でシャッターを切っていたら笛が鳴りスアレスにイエローが出た。その時は何でかわからなかったのだがその後映像を見たらがっつりハンドだった。抗議してるのが写真でもわかるがよくあんなことをしておいてこんなポーズが取れるもんだ。

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これぞぬか喜び

これで勢いに水を差されたのか、63分にコールドウェルにあっさり決められて勝ち越しを許してしまう。こぼれ球を拾ってレイナを抜いて流し込むというあまりの落ち着きっぷりに彼がセンターバックだったってことを知ったのは家に帰ってからだった。嘘でしょ?焦る。日本から来たんだよ?試合前はゴールラッシュを楽しみにしていたはずが終了間際にはせめて同点にという弱気な姿勢に変わっていた。そんな思いすら届かず試合はこのまま終了。まさかまさかの敗戦。狂喜乱舞して「We are staying up!」と叫ぶウィガンサポーターを尻目にツバを吐いてスタンドを後にする現地のおっさんの背中が寂しそうであった…。

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www.skysports.com

というわけで1-2で敗戦。今となっては笑い話…というより当時からもう笑うしかなかった。降格圏のチーム相手に負けた試合だけれども、この試合の収穫は2つある。1つはこれを機にウィガンは勢いづき、後にユナイテッド、アーセナルも破ってGreat Escapeを達成してしまう。つまりその奇跡の一部を目撃できたこと*7。そして2つ目はラヒーム・スターリングのデビュー戦を目撃できたこと。83分にカイトに代わって入りプロデビューを果たした彼は、当時はまだ綺麗な心を持っていて、KOPのHOPEでした。そんなわけでそれなりに記憶だけでなく記録としても紐づけることのできるそれなりの試合だった…はず。勝ち試合を観るのは自分の金で行ってからということなんだろう。

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スタジアムツアーのチケット…というよりレシート

この次の日は朝からスタジアムツアーへ。スタジアムの周りは西部劇かのようにゴミが散らかりまくっていた。ツアーはもちろん全編英語なので半分わかるかどうかだったけど、言い訳をするとリバプールは訛りもきつい。ガイドのおっちゃんは結構ふざけててことあるごとにユナイテッドの悪口を言う。ロッカールームで「Who the fxxker Man Utd?」とかジョークを入れたらベラミーのユニを来たちびっこが立ち上がって「お前かーー!!」とか言っていた。

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サンドウィッチマンのような男性がガイドだった。
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よく見るところ
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カーリングカップ優勝記念
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昔の写真と誰もいないスタンド。昔は日立が胸スポンサー!

日本では埼スタと日産、この数年後にカンプ・ノウとかサンチャゴ・ベルナベウ(こっちは卒業旅行)のスタジアム・ツアーに行っているけど、アンフィールドはいろんなところが狭くてボロくて一番しょぼかった。ただその反面、カンプ・ノウもベルナベウも完全に商業主義の匂いがプンプンしてて博物館のようにはいじゃあ巡っといて〜タイプになっていたし、それにはもちろんクラブの規模とか、来る人間の数も違うのだろうけど、ここはある程度グダグダでユルユルでローカルならではの人間の味がしてそれはそれでとても良かった。さすがビートルズの街なのだ。Can't Buy Me LoveでAll You Need Is Loveなのだ。必要なものはサウザンプトンから買うのだ!もう今は改装されていろんなところが広々ゴージャスになったみたいだけれども、こういうところを頑張り始めたというのは新オーナーのおかげなのだろうか。

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ついでにお隣にも足を運んだ。見ただけだけど

こんな感じ。でもやっぱり次は自分の力で行きたいよね〜。サイト見てると自分の力でみんな行ってて羨ましい。時間がないとか金がないとか休みが取れないとか問題は目の前にあるけれど、行っている人だってたくさんいるし、何と言ってもやっぱりまた行きたい。夢見る25歳でありたいものです。

 

*1:ただし計画はない模様

*2:当時は18歳。考えればわかると思いますが何を隠そうもちろん家族旅行です

*3:チケットは日本の代理店から購入。手元に残っていないのであれは多分シーズンパスの名義貸しという形態

*4:今はブラックプールでやっているはず

*5:シュクルテルが肘打ちをモーゼズにかましたことによるファウル。ちなみにこの試合のレフェリーはリー・メイソン。

*6:「冗談はヘンダーソンだけにしてくれ」

*7:なお現在は3部に落ちている。頑張れ