That Means A Lot

幻想とじゃれあって 時に傷つくのを あなたは無駄だと笑いますか?

4年に1回だけ日本代表について考える。

ワールドカップもあと2試合になってしまった。物心ついてはじめてのワールドカップが2002年の日韓大会。あのころのサッカー大好き少年はいまやサッカー大好きおじさんになり、4年に一度のこの祭典を毎回心待ちにしている。

ワールドカップを見るときの楽しみ方がふたつあって、ひとつはポルトガルvsウルグアイのような強豪国同士の試合から、カメルーンvsセルビアのようなそうでもない国同士(失礼)の試合まで各国の本気の試合を圧倒的他人事として楽しむ「フットボールの祭典」の要素。もうひとつは日本代表の試合を山本浩アナの有名な台詞を借りれば「私たちそのもの」の戦いとして楽しむ要素。もっともこれは楽しめているかと聞かれたら微妙なところもあるが…。とにかくこのふたつの楽しみ方ができるという意味で、日本がワールドカップに出続けることの意義がある。

さて、その日本代表の人気は2014年以降下がり気味といわれるし、僕自身も2018年のゴタゴタでだいぶ嫌になった。それでもやはり本番には力が入るし、勝ったら嬉しいもんである。今回はドイツとスペインにジャイアントキリングをしたのだから尚更。そして勝てばニュースやワイドショーでたくさん取り上げられる。さすがワールドカップ。堂安の行きつけだった尼崎のお店とか、三笘と田中碧が幼馴染とかの情報が長友のブラボー!とともに流れ、彼らは 「見事!ドイツとスペインに勝利!クロアチア相手にも惜しかった。がんばった。ありがとう!」という言葉を投げかける。

こうやって日本代表がお茶の間さまの話題になること自体は良いことだ。ここからひとりでも多くの大人がJリーグに興味を持ったり、子どもがサッカーをはじめるそのきっかけになればなおさら。だがきっと年が明ければもう誰も話題にしなくなるだろう。大衆を相手にするということは消費されること。こればっかりは仕方ない。

その一方で、今後に向けてこの結果をサッカー協会がどう捉えているか。たしかに「プランB」は用意して勝った…いや待ってそもそも「プランA」は?これは「自分たちのサッカー」以前の問題ではないか。森保氏はモチベーターだし、人柄も良いのかも知れない。けれどもベスト8の目標は達成できてないし、アジア予選で割とマジで苦労してたよね?コスタリカに負けたよね?とにかくあの試合の負けっぷりに真摯に向き合ってほしい。コスタリカ戦だけ見に行った友人のためにも!アレはアジアの盟主にふさわしくない。全体的な評価は難しいだろうが、少なくともお茶の間さまと同じ考えではダメだと思う。

俺はサポーターのゴミ拾いじゃなくて、ポジショナルでオーガナイズされたビルドアップで、アジアで圧倒的ナンバーワンのフットボールを世界へ誇りたいんだ!次の大会からは48カ国も出られる。これまで山あり谷ありのアジア予選もだいぶ安泰になるだろうが、そこで胡座をかいたらダメだ!と言うのは易し。もっと具体的にこの課題に取り組むライターもたくさんいるが、正解やその方程式は誰もわからない。どう強くするか。いかにして勝つか。勝ち続けるか。クラブチームならお金で補強という近道があるが、国となれば話は別。進んだ国を真似しようにも育成大国のスペインとドイツが日本に負けた(これは結果論に過ぎないが)。では日本にもブラジルに勝ったクロアチアを手本にしようか、その強さはどこから?ペトコビッチの答えは「独立した経緯や大変さを親から聞かされて知ってるから」という。日本代表に選ばれたら天皇陛下大和国の成り立ちについてお話賜りましょうってか…?

こうやって底の見えない穴よりも深い禅問答へと化した「どうやったら勝てるの?」という問いに、僕のようなサッカーおじさんは「相手のゴールにたくさん点を入れたほうが勝ち」とへらへらと屁理屈みたいな答えとともに駄文を綴ればいいから気楽なもんだ。しかし本気で答えと結果を出すという正解を探すことが仕事のサッカー協会の人らからしたら、うるせーバーカ!と言いたくもなるだろう。まぁ、がんばれ。

2050年までにワールドカップ優勝する!という大目標まであと7大会。人生で見ることのできるワールドカップは15大会くらいだという話を聞いたから、先の2002年から数えたら15大会分の12大会目。僕はそのとき57歳で、同い年のJリーグも57歳での悲願だ。その大きな夢のために向かって、自分も4年に一度意見するだけではいかんと、草の根レベルでなにかしようとC級ライセンスの取り方を調べることまではした。草の根の草の根である。この先の展開にご期待ください。